松阪市市場庄行灯掲載 川柳・俳句
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参宮の 先達となる 道をしへ
格子戸に おかげ詣りを 偲ぶ春
忘井や 野をくる月に 花散らす
暗闇の 参宮街道 つづれさせ
伊勢街道 ええじゃないかと 鰯雲
身に入むや 忘井今に 市場庄
参宮の 先達となる 道をしへ
接客の よきいちのやの 障子の間
格子戸に おかげ詣りを 偲ぶ春
参宮道 名残の茶屋に 日脚伸ぶ
忘井や 野をくる月に 花散らす
雁来るや 街道に 百年の店を守り
文献は 守り継ぐ 屋号小鳥来る
ゆるやかに うねる伊勢路や 神渡し
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小春日や 参宮街道 時ゆるり
伊勢の海 はるかに望み 大根蒔く
秋天や 屋号掛けたる 市場庄
秋晴に 伊勢道巡り 常夜灯
伊勢を 指す道標 大き秋の街
格子戸の 昼は小暗き 冬日濃し
一枚の 枯れ葉が地に 張り付けり
三街道 集まる城の 秋深む
幼の 手携えをりし 雪の宮
山霧や 伊勢へ近づき 堀坂山
武四郎 学びし 来寺彼岸花
犬ふぐり がんばり建てる 常夜灯
斎王の 憩ひし井戸に 木の葉散る
武四郎 蝦夷立ちの 川鮎落つる
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道標なす 木枯の 常夜灯
天満屋の 空に渋柿 古りゆけり
冬海へ そそぐ清流 五十鈴川
参宮道町 並んそと 秋に入る
てくてくと 参宮街道 冬日和
春風の あまねき街道 うらうらと
坪庭に 鬼瓦据へ 菊咲かせ
沙魚の 潮差し来 三渡橋にまで
鮎下る 瀬音に 寺格欅門
いせみちに 生まれ帰燕と なりゆけり
神都なる 伊勢の古道の こぼれ萩
武四郎 生家は ここよ小鳥来る
春暁の 参宮街道歩の 弾む
初しぐれ 旧街道の 道しるべ
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水澄みて 五十鈴の 川のなほ清し
参勤の 荷もちで江戸へ 曼珠沙華
七夕竹立てて 松阪 木綿織る
古を 偲びつ秋の 伊勢路行く
冬晴や 月本追分 常夜灯
伊勢路来て 城の桜に 出会ひたり